こんにちはろーれる(@Laurel_DKO0930)です。
日本でも【SUNNY 強い気持ち・強い愛】というタイトルでリメイクされた【サニー 永遠の仲間たち】のレビューです。
韓国でも大ヒットした青春映画。
ハリウッドでのリメイクも決定しています。
今の自分の境遇がどうであれ、青春時代と今は一直線に繋がっているんだなと、認識させられる青春映画の名作です。
『サニー 永遠の仲間たち』概要
タイトル | サニー 永遠の仲間たち(原題:Sunny) |
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監督・脚本 | カン・ヒョンチョル |
出演 | ユ・ホジュン シム・ウンギョン チン・ヒギョン カン・ソラ |
上映時間 | 124分 |
劇場公開日(日本) | 2012年5月19日 |
配給(日本) | CJエンタテインメントジャパン |
観賞劇場・媒体 | Amazon Prime Video ※Prime会員特典作品 |
簡単なあらすじ
日本版【SUNNY 強い気持ち・強い愛】とほぼ同じあらすじです。
忠実にリメイクしているので当たり前なのですが。

家事に追われ、慌ただしい毎日を過ごしている専業主婦のイム・ナミ(ユ・ホジョン)。
経済的には恵まれているが、夫と娘とのコミュニケーションがどことなく噛み合わず、家族には何かぎこちない雰囲気が流れている。
ある日ナミは、母を見舞いに訪れた病院で高校時代の旧友ハ・チュナ(チン・ヒギョン)と再開する。
チュナは末期ガンを患っており、余命2ヶ月と宣告されていた。
高校時代、ナミとチュナは他の友達と一緒に「サニー」というグループを結成し、青春を謳歌していた。
「死ぬ前にもう一度『サニー』のメンバーに会いたい」
チュナの願いをかなえるために、ナミは「サニー」のメンバーを探す。
自分の人生で一番輝いていた高校時代の思い出を、ナミは辿っていく。
登場人物
日本版【SUNNY 強い気持ち・強い愛】より、メンバーが一人多いです。
ナミ(現在:ユ・ホジュン;篠原涼子 高校:シム・ウンギョン;広瀬すず)
経済的には恵まれた専業主婦。
娘が反抗期を迎え、家庭には見えない問題を抱えているようです。
高校時代、田舎からソウルに引っ越してきました。
都会の高校で、浮いた存在になりかけるが、チュナから仲間として受け入れられます。
高校時代を演じているシム・ウンギョンは、日本アカデミー賞最優秀作品賞『新聞記者』にも出演しています。
チュナ(現在:チン・ヒギョン;板谷由夏 高校時代:カン・ソラ;山本舞香)
「サニー」のリーダー。
曲がったことが嫌いな性格です。
ナミを仲間として受け入れます。
末期ガンで余命宣告され、「サニー」のメンバーと再会したいとナミに頼み、物語が動き出します。
チャンミ(現在:コ・スヒ;渡辺直美 高校時代:キム・ミニョン;富田望生)
ぽっちゃりした体型で、「サニー」のムードメーカーです。
現在は保険会社に勤めていますが、成績は最下位で上司から辛く当たられています。
ジニ(現在:ホン・ジニ;小池栄子 高校時代:パク・チンジュ;野田美桜)
高校時代は毒舌少女です。
ライバルグループとの口論対決でもガンガン攻めていきます。
現在は、玉の輿に乗り経済的に恵まれた生活を送っていますが、夫の不倫にひどく傷つきます。
整形しまくりという設定でもあります。
クムオク(現在:イ・ヨンギョン 高校時代:ナム・ボラ)
日本版では抹消されたキャストです。
高校時代は明るい性格でしたが、現在は狭いアパートで姑の介護をしながら不自由な生活をしています。
インパクトがあまり無いので、抹消されても仕方が無い役かもしれません。
ポッキ(現在:キム・ソンギョン;ともさかりえ 高校時代:キム・ボミ;田辺桃子)
高校時代はミスコリアを狙っているお姫様キャラでした。
現在は場末のバーで働いています。
アル中で情緒不安定で、チュナ以外では一番不幸な人生を送っているメンバーです。
スジ(現在:ユン・ジョン;池田エライザ 高校時代:ミン・ヒョリン;池田エライザ)
無口でクールな美人です。
好きになれない継母がナミと同じ地方出身で、ナミに強く当たってしまいます。
現在は何をしているのか不明ですが、ラストシーンに登場します。
『サニー 永遠の仲間たち』レビュー
余計な装飾がなくて、ストーリーをたっぷり味わえる
日本版は楽曲ありきという印象が強く、ストーリーに入り込みづらかったのですが、オリジナルである【サニー永遠の仲間たち】は楽曲に気を取られることなく物語を楽しむことができました。
オリジナルでも80年代の韓国の曲をたくさん使っているものの、そもそも知らない曲ばかりなので鼻につきません。
人生で一番輝いていた高校時代と、現在は一直線で繋がっている、という当たり前のことを再認識させられる映画です。
今の境遇がどれだけ不幸でも、前向きに生きていくことができるだけで素晴らしいことなのだと思います。
ラストシーンの解釈を日本版とも比較して考察 ※ネタバレあり
あっさりネタバレしちゃいますと、メンバーが集まる前にチュナ(芹香)が死んでしまい、葬式の最中にスジ(奈々)が現れるというラストシーンになっています。
そしてオリジナルでは、現在のスジは高校時代とは別キャストが演じているのですが、日本版では現在も高校時代も池田エライザが演じています。
この解釈はいろいろあるようです。
私は最後に現れるスジ(奈々)は幻想かもしれないと思いました。
というのはスジ(奈々)と、ナミ(奈美)や他のメンバーが同じカットには映っていないんですよね。
ナミ(奈美)たちが葬儀会場の入り口に気配を感じ、そちらを見たらスジ(奈々)が立っていた、というカット割になっています。
このスジ(奈々)は、ナミ(奈美)たちの見た目(主観)であって、極端に言うと幻影かもしれないのでは?という印象を受けました。
↓こんな感じでスジとナミのグループショット(客観カット)があれば、スジが本当に現れたのは間違いないのですが、

↓こんな感じでそれぞれの主観しか映っていないので、本当に再会したかどうかということが曖昧になっている印象を受けました。
つまりラストカットのスジは、ナミたちが見た幻なのかもしれないと。

【サニー 永遠の仲間たち】は群像劇ですから、最後にメンバー全員のグループショットが無いのは不自然なんですよ。
スジ役の俳優さんのスケジュールが合わず、そのカットだけ別日に撮影したということも考えられますが、そんなくだらない理由ではないはず…。
あえてそういうカット割りにしたのは、スジが本当に現れたかどうかを曖昧にするためだと思いました。
こう解釈すると、エンディングにものすごい余韻が生まれてくると思います。
日本版【SUNNY 強い気持ち・強い愛】でも、このカット割りは忠実に再現されています。
原作と同じく、ラストシーンに「SUNNY」のグループショットが無いんですよね。
日本版では奈々のキャストを高校時代も現在も、同じ池田エライザが演じている点がオリジナルとは異なっている点です。
これも奈々は幻想だから歳をとっていない、という解釈なのではと考えました。
ナミ(奈美)たちは新聞広告で、チュナ(芹香)の葬式を告知します。
興信所の探偵でさえ消息が全くわからなかったスジ(奈々)が、チュナ(芹香)の葬式の存在を知ことができたのは、この新聞広告を見たからという以外に説明がつきません。
という疑問を他の方のブログでもたくさん拝読しました。
この意見はもっともで、ご都合主義すぎる印象があります。
でも本当はスジ(奈々)が現れたかどうか分からないという解釈だと、どういう印象になるでしょうか?
もの凄く乱暴に解釈すると、スジ(奈々)が幻影だとするとどこからが幻影なのか?という視点も出てきます。
もしかするとメンバーたちに読み上げられるチュナ(芹香)の遺言も幻想かもしれません。
まとめ
以上韓日の「サニー」を観た感想でした。
日本版【SUNNY】は原作を忠実にリメイクしてはいるのですが、80年代の韓国を90年代の日本に翻訳しようとしたことに問題が発生し、それを完全にはクリア出来なかったという印象を受けました。
全体的にはオリジナルの方が好きなのですが、ラストシーンについては日本版【SUNNY】の方が良いですね。
アラフォーのくせに中二病を患っている自分には、ジャストミートの映画です。